今回は初心者に必ずやってほしい水彩画の基礎の練習について書きたいと思います。
筆使いの基礎の練習1
筆は最初は一本だけで構いません。私はオールラウンドに使えるラファエル 0/3号の筆1本だけで描いていました。
速さを重視される水彩画はできれば最初は一本で色々な太さが描ける(こちらは背面など広い域を塗る時には向いていませんが)筆がとても便利でした。
上の写真のようにこの筆で、できるだけ細い線をかけるように練習をします。もし子供の時に毛筆を習った経験があればその時の感覚を思い出しながら描くといいと思います。またこういう練習にも使えるように失敗した時の紙はとっておくと便利です。
細い線が描けたら次にできるだけ太い線を描いていきます。筆の根元まで紙について線を描きます。
次に細い形の葉っぱを描く感じで最初に軽く力を入れて段々と力を入れて最後に力を抜く感じで描く動きの練習をします。
まるで毛筆で人を描くときの「はらい」を練習している感じで描き、コツは最後ははらわずに力を抜いて筆を浮かせます。
上から3番目が顔料が均一に混ざって色をつけられた状態です。
一番上は顔料が少しつけ足りなくて最後は薄くなってしまいました。一番下のような感じはすぐに上からもう一度顔料をつけると修正できました。乾かないうちにすることが大事です。
「ウェット・オン・ウェット」の技法
「ウェット・オン・ウェット 」とは紙を濡らしておいて、濡らした状態で色をつけていくことで、綺麗なフュージョンを作ることができる水彩画の技法の一つです。
まず背景に好きな色をつけて紙を濡らします。
この時は筆について水分は取らないでたっぷりつけたままです。その後に色をつけていきます。
その後に色々な色を筆で点でつけていきます。
水と絵具のフュージョンです。
紙につけた水分の量を観察して、どれくらいの水分でどんな感じになるかなどを観察してみました。
紙を変えるとまた違った感じになりますので、色々試して自分の気に入るものを見つけていきました。
水彩画でこの瞬間はとても好きで混ざり具合などを観察しているだけで癒されます。
色の冒険で、色々な発見もできるのでお勧めです。
冷たい色と暖かい色を混ぜてみる、冷たい色だけでしてみる、また暖かい色だけで試してみるといいと思います。
色を入れるだけではなく、水を落とすとまた面白い効果になります。
絵具を落とした時は点になっていても、時間が経つにつれて水と馴染んできます。その過程を観察するのも楽しいです。
もちろん点だけではなく、線など色々試してみることをお勧めします。
塩を入れて作る模様
「ウェット・オン・ウェット」の技法で色を入れるだけではなく、まだ濡れている状態の時に塩を上からまぶしてみると
まるで塩の妖精がいるみたいですね。素敵な働きをしてくれます。塩は粗塩を使いました。
塩の種類によっても模様が変わってくるので色々試してみると面白いです。
こちらは1時間くらい経過した模様です。まだ完全には乾いていませんが、模様ができ始めています。
完全に塩が水分を吸い取ってしまったあとは塩を取り払います。乾いていると簡単に取れますが、少しでも水分が残っていると塩がくっついたままになりますので、乾くまで待ちます。日向に当てて置いておくと早く乾きます。
上の写真は完全に乾き、塩を取り除いた後の模様です。
上の写真は顆粒の塩で試してみました。粗塩の方が模様が大きく出ます。好みの問題だと思いますが、私は粗塩の方が好きです。
こちらは粗塩を加える方法を使って描いてみました。塩を多めに使ったの左上の部分は特に粒々の細かい模様ができました。海の中にいるときに外の太陽の光が当たってキラキラしている感じにも見えます。 どちらかといえば背景を濃い色味でする方が模様がわかりやすく浮き上がるような感じがしました。紙によっても効果が違うのでこれもまた別の紙で試したいと思います。
紙は「ホルベインのウォーターフォード」300g/m2を使いました。
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